2008年4月10日木曜日

新人の目

ちょっと間が空いてしまいました。

どうも計画的にコツコツ日々思うことを書くというのは性格ではなく、「書きたい!」という衝動が盛り上がってきたときにガンガン書くというのが自分スタイルのようです。
これはブログとして閲覧されにくいパターンなんでしょうね。また、作家になったら最悪で編集者から逃げ回り挙句の果て缶詰されてしまうタイプかもしれません。

さて、世間は新入社員(正確には新卒)の季節ですね。
色々な記事で入社時の訓示が披露されています。その中で比較的よく話されているものが
「新入社員の新鮮なものの見方で新しい風を会社に吹き込んでもらいたい」
ですが正直これには違和感を感じます。

これって、既に組織に入り込んでいる人間の視点だからです。「何が既存なのか」を理解していないから新鮮なのは当たり前だと思います。最初のゼロベースは新入社員自身が(意図的に)出している価値とは言えないでしょう。メッセージの出し先が間違っていると思います。

このセリフは既に会社で働いている人間に語るのが真っ当だと思いませんか?
「新入社員はゼロベースの視点で入ってくる。(我々はそれを良いトリガーとして)彼らの率直な感想を聞いて今一度自分たちを見直してみよう!」
これが正しいメッセージだと思います。

新入社員(新卒)に出すメッセージとしては、
まず「まず(もがきながら)何が既存かなぜそうなっているのかをきちんと理解しよう」、
「そしてある時間が経過した後に、積み上げてきた自分の型を壊して改めてゼロベースで再考してください」が良いと思います。

これは楽なことではないでしょう。
作り上げた自分の(思考・行動の)型は従っていればスムーズだし快適だから人間の本能からすると手放したくない。でもこれはある意味思考停止状態であって、環境の変化に適応できなかったり・競争力を失うことにつながる。だからこそ、人間は快適な状態を自ら手放し常にゼロベースに立ち返り考え行動する必要があるのだと思います。

そういう勇気を持って欲しいとメッセージするのが先達のなすべきことだと思います。
自分が受けている感想(新鮮さ)を意識していない出し手に強化してください(より新鮮になってください)というメッセージをしてもゆがむだけです。

以前、入社数ヶ月の社員と研修後の飲み会で語り合ってた時です。彼らは会社・組織・仕事に関する不満を面白おかしく話してくれるのですが、どうも図式が「既存の会社・組織・仕事=旧く、凝り固まっている(間違っている)」「自分たち=新しい視点、これからあるべき姿(もろ手をあげて受け入れるべき)」となっているのです。
まぁこの手の話は珍しくないし自分も新人の頃はたらふく吹いてましたので彼らを否定する気はさらさらなかったのですが、あまりに意気揚々と語るもんですから「その自信の根拠は何?」と意地悪心で突っ込んだら、
「研修の時に経営陣がそういったから」
ということだけが根拠の様でした。しょうがないので「おいおい、そういう思考自体がゼロベースじゃないぜ」と説明する羽目になりました。

「経営陣の方はもう少しメッセージングのあり方を意識してもらいたいなぁ」と感じてしまいました。
本当にゼロベースの新入社員を出だしから変な色に染められるても。。。

4 件のコメント:

Unknown さんのコメント...

いいこというな~。
再度見直す=思考のリストラ
は必要ですね。

エッケイ さんのコメント...

あざ~す!
自戒をこめてます。こうまで書いたら自分もやらんといかないからね(笑)

Unknown さんのコメント...

自信満々で語る新卒の姿が、
目に浮かびます。^^

今年の新卒は、
「カーリング型」なのだそうですね。

その心は、
少しでもこするのをやめると、
減速したり、止まったりしかねない。

新卒さんたちが、組織になじみつつ、
ゼロベースで、自己と組織を見直せるように、なれればいいですね。

エッケイ さんのコメント...

ほー、カーリング。。
ここ数年ネーミングに必死な感じだなぁ。
こすり続けなければならないと言われた新卒もリアクションに困るね(笑)