2008年1月30日水曜日

これからの研修は

皆さんはもう既に聞いたことがあるでしょうが、ただ知識を伝える(ビジネスパーソン向けの)研修スタイルは限りなく少なくなっていくそうです。

(ウェブ進化論の梅田さんではありませんが)知識はむこうの世界に置いてあるのでその探し方を知っていることこそが大事。

公式的な正解が無い昨今の世の中では、答えを知ることより(そもそも知ることができない)自らが答えを探す(もしくは作り出すor答えだと決断する)能力が重要

等の理由からです。

じゃあ研修の方向はどこに向かうかというと、
「思考力・人を動かす力等のメタ能力を身に着けるサポート」「知識を実際のスキルに転換するサポートする」が期待されることになります。これらは、従来の研修でも期待はされていましたが、成功している例は実際にはあまりなく、またそれを「そもそも教育の投資対効果は先になってみないとわからない」という逃げ口上等で見逃されてきた分野です。

また、それ以外に、受講者全員が持っている知識や経験や思考を結集させ今までに存在しなかった創造的な答えを導き出す。講師は答えを教える人ではなく、受講者間のダイアローグ(相互オープンで深い話し合い)をファシリテートするといった形態の研修が主役に浮上していくと言われています。
(実際には欧米では多くの取り組みがなされ結果を出しつつあるようです)

何がいいたいかというと、
そういう流れを真に受けて、こっそりファシリテーション関連のスキルを研ぐ私なのでございます。

そういう人材はまだ市場に少ないですからね。がんばらないと。。

2008年1月28日月曜日

ちょっとご紹介

ちょっと2つ紹介させてください。

私が一部原稿を書いた本が出版されました。
「企業変革のマネジメント」一條和生教授 (著),NTTデータ(著)
http://www.amazon.co.jp/%E4%BC%81%E6%A5%AD%E5%A4%89%E9%9D%A9%E3%81%AE%E3%83%9E%E3%83%8D%E3%82%B8%E3%83%A1%E3%83%B3%E3%83%88%E2%80%95%E7%A4%BE%E5%93%A1%E3%81%AE%E3%80%81%E7%A4%BE%E5%93%A1%E3%81%AB%E3%82%88%E3%82%8B%E3%80%81%E7%A4%BE%E5%93%A1%E3%81%AE%E3%81%9F%E3%82%81%E3%81%AE%E5%A4%89%E9%9D%A9-%E4%B8%80%E6%A2%9D-%E5%92%8C%E7%94%9F/dp/4492532420/ref=sr_1_1?ie=UTF8&s=books&qid=1201443828&sr=1-1
私が在職時に参画した会社の変革活動に関する本です。ただ、内容はある程度の組織規模がある会社の方で無いとピンとこないかもしれません。やや旧態としてきた会社の変革に汗を流されている方には多少の参考になるのではないかと思います。
私の名前は本の裏に記載されていますが、正直に申しあげると、私の原稿がだいぶ未熟だったので私の敬愛する同僚の直しがきっちりと入って私の文章自体は名残りしかないかもしれません。。。
でも書きたかったことは失われていないので、いちおう私も関係者ということにさせていただきます(笑)


アントレネットで取材された私の紹介記事が載りました。
http://entre.yahoo.co.jp/contents/icreport/index.html

部分によっては少々内容が曖昧なため誤解を受けそうな箇所もありますが、全体的には良くまとまっているなと思いました。編集者はやっぱりプロですね。
恥ずかしいけどやっぱり少々うれしいもんです。

私はどちらかというとこってりとした営業やアピールが好きではないのですが、フリーともなるとやはり多少の露出・アピールは食べていく上で必要不可欠になります。
「必要不可欠ではあるが、どうも気が進まないな。でもやらんとなぁ」
とこの一年ひそかに焦っておりましたが、1年の終わりになって自分に関係あるものが二つも世間の目に触れる機会が出てくるなんてうれしい偶然です。

2008年1月27日日曜日

ファシリテーテッド360°

皆さんの会社では360度評価(もしくは診断)なるものをやっていますか?
主にリーダー職(不思議と幹部クラスになると対象外になれる)を対象として、上司・同僚・ビジネスパートナー・部下からそれぞれ評価を受けるというシステムです。

私はこれが好きではありませんでした。
やって本当のところが出てくるのかが疑問だったし、またやったアセスメント結果が返ってきただけでそれが何にもなっていないケースが殆どだったからです。

評価結果をただ紙等で伝えるだけだと、その人にとってショックな部分にだけ意識が集中します。加えてたとえそれを直そうとしてもまともなアドバイスなんか結果表には記載されていません。完璧な人間はいるわけないんで必ずマイナス評価は存在します。でもプラスな部分も必ず存在するんです。通常のアセスメントはその人のネガティブな部分にのみフォーカスさせ、全体的なエネルギーレベルを下げて改善方向にも向かえなくなってしまうというリスクがあると思います。これではフェアじゃないと私は思います。
私は納得感とフェアであることが大事な価値観としているので、弱い者いじめみたいな施策は好きではないのです。
でもこれに関して「ファシリテーテッド360°」という面白いアプローチがこの間読んだ雑誌で神戸大の高橋潔先生が紹介されていました。
360度評価をやっただけでなく、その評価者が集合してファシリテーターのリードの下、被評価者の長所とその人がもっと良くなるために必要なアドバイスを話し合います。そしてそのアドバイスを持ったファシリテーターが被評価者と面談をしてそれを伝えコーチングをするのです。
これなら結構フェアじゃないかなと思いました。悪くないアプローチではないでしょうか?
ただ、このファシリテーション、コーチングをする人は良く訓練されてスキルフルでなければならないので実現段階ではここがネックになるでしょうね。
でもこの仕事ちょっと面白そうです。いずれ是非やってみたいです。

2008年1月25日金曜日

名刺物語①(名刺交換恐怖症になる)


あるフリーランスの物語。

独立を考え始めていた会社員時代。独立後の名刺にはこだわりがあった。

「会社の名刺はずーっと白地に明朝文字。本当によその会社と比較してかわり映えしないよなぁ。やっぱり名刺ってやつはある意味アイデンティティを象徴するわけだからクリエィティブである必要があるはずだ。よーし、俺は色やデザインにこだわりを持ったセンスあふれる名刺を作ってやるぞ!」

そして独立。

「さーて、独立したが名刺がまだだな。これでは人と会うのもままならないぞ。未だに名刺ができていないなんて言語道断。営業経験者って誰も信じてくれないだろうな。やばいやばい」

そして検討

「。。。うーん。だめだアイデアが降ってこん。。考えてみればそもそもデザインって全く縁遠かったじゃないか。どうしよう」

必死にググる男。ひょんなことから写真を名刺にできるサイトを発見。

「おお、これだ。この間行ったタヒチの海の写真を背景にしよう。美しい風景だしイメージアップにつながるかもしれない」

そして最初の名刺誕生。

「おお、なかなかオシャレじゃないか。悪くないかもしれないな。でも俺の商売と全く無縁のエスティティシャンかなんかの名刺みたいになってしまったな。まぁいいか。。」

ある異業種交流の飲み会。そもそも、この手の会でリラックスできない男は営業スマイルを浮かべながらおそるおそるベテランの営業マンに名刺を渡す。ベテランの営業マンは、

「。。。。字が読めねぇ。そもそも名前が読めねぇ名刺なんてなんの意味があるんだ?営業からするとありえないな。」

もしかしたら年齢とアルコールでお目が遠くなられているんでは?というセリフを意志の力で抑え込み、「なるほどそれもそうだ」と反省。新しい名刺作ることに。

今度もネット注文系で挑戦。

「そうそう、そもそも自分は色やフォントにこだわりを持ちたかったんだ。よーし、色は青に緑が少しかかったやつにしよう。フォントはそうだな。。かたい明朝はやめてポップ体だ!」

変に興奮して妖しい目つきでオプションをつけまくる男。

名刺ができあがる。

「むぅ。。ちょっと想像できなかったものが出来上がったかも。。むぅ。。」

そして新しい名刺を配り始める。

コンサルタントに渡す。

「ほほー、これはこれは面白いですねぇ」
(笑顔だが本音が見えない表情)

商談時にお客様に渡す。

「ほうっ。なるほど。。」
(怪訝そうな無表情)

仲のよい後輩に渡す。

「へぇーっ、なんかキャバ嬢ぽい名刺っすねぇ。僕こういうの2,3枚持ってますよ」

。。。やっぱりぃ?やっちゃった俺?

ためしに次に名刺を渡す時に一言付け加えてみた。

男「いやぁ、よくキャバ嬢の名刺みたいだって言われるんですよ。ワッハッハ」

別のコンサルタント

「やっぱりそうですか。いやー、なんと申し上げてよいかわからず困っていたんですよ。ワッハッハ」

(グサッ!そのセリフがトドメとなり男の心は折れた)

かくして、男は人に名刺を渡すことに恐怖を覚え、交流の場や商談の場に出るのが億劫になっていくのであった。

減らない箱詰めの名刺を見て心を暗くしながら。。

続く。

2008年1月23日水曜日

コンテクスト パフォーマンス

ある雑誌を見ていたら、上記の言葉を発見した。

意訳すると、
「業績と直接的につながるわけではないが、業績を上げることに欠かせない間接的な環境要素に良い影響を与えていること」
とでも言えようか。

【自分の所属している組織のメンバーをモチベートしてやる気に満ちた集団になるよう働きかける】

【会社の繁栄に将来影を落とす可能性のある微細な兆候をみつけ組織に警鐘を鳴らす】

【形骸化している社内制度を現状に合わせる特別プロジェクトを自ら発起する】

【現業が忙しすぎて誰も手を出せないが、将来無視できないトレンドテーマに関する勉強会を立ち上げ社内有識者を育成する】

まだまだ色々なものがあるだろう。
よくよく見ると昔から日本の会社にちゃんと存在していた行為だが、やったからと言って自分の仕事の実績にダイレクトに跳ね返ってくるわけでもないので、最近はごく一部の変わり者的存在を除いて、積極的に関るものは減っている。周囲もリスペクトはしてくれない。でもなぜか、そういうことに熱心だった人がいなくなった瞬間組織は恐ろしいほど荒廃する。その人の良さに気づいた時にはもう後の祭りだ。そんな経験がある人は少なくはないのではないだろうか。

昨今のビジネスパーソンは成果主義、というより組織が個人単位の実績に強くフォーカスして処遇される様になってきている。
これの弊害として、個人の力が組織としての力につながらなくなって組織力が低下しているそうだ。
これを防ぐ考えとして、上記のコンテクストパフォーマンスという観点でも人を評価するようにしておかなければならないと主張されているらしい。

自分としてもこの考え方は良いとは思う。
もちろん個人の業績にフォーカスして評価することは悪いことではないが、組織を一個の人間として考えた時、各臓器・各神経細胞は相互につながっているからこそ機能する。それぞれが個別に優秀に機能するためには色々な多機能がサポートするように働くから機能できるし、そういう相互ネットワークシステムが機能していることこそが意味のあるパフォーマンスといえるだろう。
優れた心臓を評価したって、ぼろぼろな血管や停止しかかった脳だったら意味が無い。評価を個人毎ばらばらにしすぎてもバランスが悪すぎる。
各個人がめいめい勝手に主張して相互につながらないのは言ってみれば組織的なウツ病状態だ。

キャリアコーチングの観点でも、ある技術やある業務に特化して優秀な奴よりも、個と個の間に存在する(誰が手を出すかわからない)グレーゾンに積極的に関与する奴のほうが、会社全体の成果につながる仕事をしているし、甲斐性のある高価値人間として会社を出ても確実にモテる。

かといって、組織のコンテクストにのみフォーカスして、自分の仕事で明確な結果を出せなければ評価も何もできないのは厳然たる真実ではあるけれどね。
実業務が持っているプレッシャーからの逃避として、コンテクストに逃げるという行動もよくあることだから気をつけないといけない。

(会社員時代の自分の行動に関する自戒をこめて)

2008年1月20日日曜日

いい塾の先生は

最近、「ダブルキャリア」(生活人新書)という本を読んだ。

その本に書かれていたセリフが背筋を正す様な気持ちにさせてくれた。
ある学習塾のコンサルタントさんが話してくれたものらしいがなかなかに奥深い。

「いい塾の先生は子どもが家に帰って勉強したくなるような授業をする」

コーチングや講師業に携わる者は心していなければならないセリフだと思う。
この考え方は自分のやり方のベースになっているが、これを愚直に徹底し続けることは結構難しい。
勉強すべき知識内容そのもの(コンテンツ)にフォーカスするより、
クライアントが学ぶプロセスにフォーカスする方がより大きな成長に寄与することができる。
ただ、クライアントの機会から学ぶ力には非常に個人差が大きい。時に学ぶ力がまだ磨かれていない人には答えに近いところまで導いて、徐々に学ぶ力を上げる手伝いをしなければならない(と個人的にと思っている)
ただ、これは度を越すと相手の学ぶ力を削いでしまう恐れもある。非常に加減が難しいやり方だ。

状況に柔軟に合わせて最も効果の高いやり方をとる。
ただ、上記のセリフを常に忘れず自分に問いかけ続ける。
それこそを自分のスタイルにしたい。

ちなみにこの本そのものも結構よい本だと思います。
企業に勤めつつも自分のキャリアに確信が持てずもやもやしている人は一読の価値があります。私もこの考え方を時々クライアントに勧めることがあります。そもそも自分にしても似たスタイルで自分のスキルを磨きましたから。

フリーになって①(肩書)

会社の看板を下ろして素の自分で勝負してみたい。


そう思い続けて転職ではなくフリーランスの道を選択したのだが、いざ会社を辞めて活動してみるとなんと日本でビジネスをする際に会社という看板が先に出るのかということを実感した。


「初めまして!私は@@@の田中と申します」

「こちらこそ!私は@@@の山田です。よろしく」


「もしもし、@@@商事さんですか?私は@@@の鈴木です。」

会社の肩書きは非常に重要だ。ミーティングの後でも下手すると人の名前は抜けて社名しか記憶に残らない。

自分も一応屋号をつけたのだが、

『HRDエージェント エッケイ』、前部は職業のイメージを指すもので、いわゆる社名にあたるものは『エッケイ』だ。

「どうせ、自分を前面に出して商売をするのだ。格好いい横文字を無理くり考えるより、自分の名前をただ音読みでつけるほうがわかりやすくていいか。」
とつけたのだが、これがいいにくい。


「もしもし@@@商事さんですか?エッケイの野口と申します」

「はっ?(こいつ何?勧誘?)」


相手はいきなり警戒モードだ(笑)

日本は名前で勝負する国ではなく、会社→肩書→家族名→本人名という順でブランドが成立するんだろう。(だいぶ変わりつつあるが)これではやはり日本は成り上がりが難しそうだ。


「やぁ、僕はマイケル!僕の専門領域は@@@。過去には@@の仕事をしました。この分野は僕にぜひ任せてください。ちなみに今@@社に所属しています。」


ちょっと憧れるがこのノリはまだまだ実現しないだろう。


最近は電話する際には

「もしもし@@@商事さんですか?私はHRDエージェントの野口と申します。@@さんはいらっしゃいますか?」

としている。


『HRDエージェント』はいわゆる「人材の能力開発に関る者」という意味で何のID説明ではないのだが、

大抵の場合、すんなり電話は取り次がれる(笑)

2008年1月14日月曜日

ブログ始めます

エッケイです。

昨年の1月末、
長いこと勤めた会社を辞めてフリーランスになりました。

大手のシステム会社を40代になってから、それも(前職のブランドが通用しないという意味で)システムとは何の関係もない能力開発関係でかつ、フリーになるということで、周囲の驚きは相当のもんでしたし、全く予想外に初めての子供(娘)ができるというビッグイベントまで飛び出し、本当に激動の年でした。

それでもお客様や仲間に支えてもらいなんとか1年経とうとしています。

フリーになって強く感じたのは発信の場の大事さです。
会社員と違いフリーランスは職場の同僚がおらず周囲に対する発信を気軽にできる環境はなくなります。
以前は自分の気持ちを人に伝えたかったら周りを見まわせばいくらでもいました。
でも今は努力して探さないとそういう場は手に入りません。

この一年で、自分にとって考えたこと感じたことを発信することはものすごく重要でそれが自分の成長に大きな意味があるということがよくわかりました。
それが私がこのブログを始めようと思った理由です。

このブログと読者の方の関係への思いでいうと
できる限りの多くの人の目に触れてもらいたいという顕示欲があるわけではなく、かといって自分の独り言だから誰が見なくてもかまわないという気持ちにもなれない中途半端きわまりないのですが自分の思いをなるべく正直に書き、それを見てなんらかの心に響くものを感じた人が時々訪れさらに時に何かコメントを落としていってくれるようなものになってくれれば限りなくうれしいと思います。

それでは、はじまりはじまり。