2010年3月8日月曜日

研修アンケート

フリーとして研修講師の仕事を始めて今年で4年目だが3年目からやらなくなったことがあります。


それは、研修アンケートでクラス単位の研修満足度で満点を狙わなくなったことです。


正直、独立してから暫くアンケートの点には相当こだわりました。


フリーランスの講師にはアンケートの点数は死活問題になるからなんです。


いくら企業の発注主が


「うちは研修満足度はこだわりません。参加者に本当に意味のあるものが伝えられ、行動に変化が起こるのであれば。。」


と言ったとしても信用はできません。結果的にそうじゃない例を山のように見てきました。


自分のコンプレックスも点数にこだわる原因の一つだったでしょう。


「大丈夫だ。俺は十分に通用するんだ」

なんて自分にささやいたって、安心なんかはできません。


アンケートの点数が良かった時にだけ「ほっ」とする自分もいたわけです。


しかし、講師業を数年やってみるとわかってきたことがある。


『研修満足度は高いにこしたことはない。でも満点を狙うことはなんか本質と違うかもしれない』


クラス全体の研修満足度に影響を与えるのは講師のサービス力であって、参加者を変えるための力ではないと感じてきました。


例えば、サービス力に入るのは、「場の高揚演出」「すっきり感」「個々の参加者のかゆい所に手が届く感」「フレンドリー感・味方感」「教室の環境整備」「笑わせる」等々だったりします。部屋の湿度・温度やトイレ・昼食時間のキープが満足感に案外大きな影響を与えているようです。


もちろん、研修の満足度等を上げる事は悪いことではないとも思います。参加者の行動変容には、ある程度の高揚感や満足感は重要だと考えるからです。


でも、ある一定の満足度を超えた、さらなる上の満足度を狙うことは、本質と違うご機嫌伺いの体になっていく気がしてしょうがありません。(そのことは、満点を狙ってギラギラ頑張って満点が取れた時にはっきりと感じました)


そのことを感じてしまってからは、本質からずれたところにエネルギーをかけることに興味がなくなってしまったのです。


そして、サービス力をフル発揮して満足度で満点を狙うより、参加者にとって本質的に意味のあることにのみフォーカスする様になってからわかったことがあります。


後者のアプローチでも、満足度はけっこう高止まりするもんだということです。


もちろん、このアプローチでは満点は出ません(25名を超える規模では未経験)。

でも、手ごたえはこちらの方がありますし、なにより


「自分は正しいことができている」


という感覚がぶれずにあるため、精神が健康な感じがします。


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